「ことしは おかあさんたちも クリスマスげきを いっしょにするんだって」
ある日、わが子がこんなことをお知らせしてくれたのですが、きっと何かの聞き違いだろうと思っていました。
ところがこの後、親も参加型のクリスマス劇をする、という正式な発表がありました。
発表会場はざわめきましたが、私の感じたところ、口では「えー」と言いながらも、誰も嫌がっている様子はありませんでした(笑)。
時間がとれない中、どうやって親が劇に参加するかというと、こどもが演じる劇の中に、親たちが演じる『生誕劇』をサンドイッチにするということ。
練習時間は当日の朝60分のみ!
2チームに分かれて、それぞれ「マリアの受胎告知」「東方の博士が誕生したイエス様を拝みに行く」という二つの聖書箇所を演じます。
配役、演出などすべてお任せ!
何もない状態から、一時間で本番にのぞむ!
手に汗にぎる創作作業が始まりました。どうしようどうしよう、とやっている時間はありません。
普段から密に繋がっているお母さんたちが先導をとり、配役決め、演出、ヘルプなどなど、いい具合にドンドン進んでいきます。
(こちらのグループは強いママたちがそろっていた、という噂も…(笑))
「声が小さくて何言ってるかわからない」
「笑いながらやらない」と厳しい舞台監督のママの声に、素直に「はい!」と従うパパたち。
「いい舞台をつくる」というひとつの目的のため、それぞれの持ち味を生かしながら、みんな真剣に、かつ楽しみながら60分をやり抜きました!
普段あまり話さないお父さんたちの距離もグッと縮まりました。
さて、この『アルタバン物語』ですが、目の前の困っている人を次々と救うことで、イエス様に会いに行くという大いなる願いが実現させられずに一生を終えてしまう男の人の話です。 お話を聞いて、二つの候補から子どもたちが選んだそうです。
一見地味で悲しいお話ですが、尊い行いに心動かされたのでしょうか。子どもたちの選択に静かな感動を覚えました。
衣装も用意されて本格的な舞台の始まりです。
花形二大スター!を有する最初のチームが観客の心をがっちりつかみ、両チームとも素晴らしい出来栄えです。愛児園保護者の底力はスゴイ!
こどもたちも、パパやママがこうしてみんなの前で堂々と演じている姿をみて、何かを感じ取ってくれたのではないかと思います。
終わってからも興奮冷めやらず、夫婦の話題作りにも一役買ってくれました。
こんな思い切った企画を発案して下さった朗子先生。
それを採用して下さった懐の広い園長先生。
そして60分であんな立派な劇が作り上げられたのは、衣装を始め、他の細々した段取り設定など、しっかりした準備があったからだと思います。
準備に携わってくださったすべての方々にお礼を申し上げます。
我が家にとっては、最後のクリスマス会でしたが、インパクトのある、思い出深いものになりました。
素敵な思い出をありがとうございました。
2015年愛児園クリスマスに参加して
