この春、長男が愛児園を卒園しました。
入園したばかりのDさんの頃、Aさんはとても大きくてカッコいい存在でした。
そんなAさんにまさか我が子がなっているなんて、信じられない思いです。
Dさんの頃の写真を見返すと顔もぽっちゃり、体操服もブカブカだったのに、いつの間にこんなに大きくなったのか…。
毎日見ていると気がつかないけれど、息子なりの成長を日々確実に積み重ねてきたのだなと改めて思わされます。
第一子ということもあり、特に息子のことは心配ばかりしてきたように思います。
一つのことに熱中するあまりに周りが見えなくなる、執着して気持ちが切り替えられない、などなど、息子の欠点と思い、何度も先生方に相談させていただきました。
その度に、「大丈夫ですよ。その粘り強さが智希くんの強さですよ。最初からまん丸の子はいないんです」と励ましていただきました。
その言葉通り、息子は一つ一つのことを粘り強くやり遂げる子に育ってくれました。
気持ちの調整も少しずつできるようになり、心配だった面が段々と良い面として現れてきているように思います。
今では頼もしいお兄ちゃんと感じる場面も増えました。
Dさんの頃はブランコが少し揺れるだけで怖がってすぐに降りてしまっていた息子が、今ではブランコをビュンビュン漕ぎ、連続逆上がりまでできるようになり、縄跳びも得意になりました。
体を動かすことを目一杯楽しむ姿は、3年前からは想像できないことでした。
お仕事でも、Dさんの頃に「円錐」という言葉を覚えてきたときは耳を疑いましたが、大人の方が無意識に「これはまだ理解できるはずがない」と決めてしまっていることに気がつきました。
その後も「知りたい!理解したい!できるようになりたい!」という息子の気持ちを満たしていただき、数のお仕事や国名など親もびっくりするほどたくさんのことを覚えました。
「敏感期」という言葉の通り、子どもの無限の可能性を楽しむことのできた3年間でした。
また、下の子と一緒にブランコに乗って漕いであげるなど、優しくする場面も見られるようになり、何より嬉しく感じました。
そのどれもが一気にできるようになったのではなく、そこに至るまでに、縄の扱い方や鉄棒にぶらさがることから始めて、発達段階に合わせて小さな一歩を先生方が丁寧に導いて下さったおかげです。
お仕事も教具を通して自分の感覚をじっくり磨き、一つずつ段階を踏みながら取り組ませてくださいました。
親としては「いつの間に!」と感じるような成長の裏には、毎日毎日の先生方の温かいたすけと息子の粘り強い取り組みがあったことを覚えます。
数々の「できた!」を毎日重ねて、息子は自分の力を精一杯使い、できるようになる喜びをたくさん味わうことができたと思います。
初めての運動会の20m走で息子が転んでしまったとき、一緒に走っていたお友達が心配して待ってくれていたり、優しいお友達と一緒に過ごせたこともありがたいことでした。
親から離れて歩いていく初めての社会である愛児園で大切に育てていただいたことは、今後の息子の人生にとって大きな財産になると思います。
また、ハンナの会や読書会などで、親自身の気づきを深められたことも感謝でした。
私も一つ一つチャレンジすることで子どもをたすける姿勢を育んでいただいたように思います。
まだまだ発展途上ですが、これからも親子ともに、毎日を積み重ねてゆっくりと成長していきたいと願っています。
卒園式で話していた息子らしい将来の夢は、愛児園でじっくり自分を見つめ、育ててきたからこそ持てた夢だと思います。
今後の彼の選択を応援し続けたいと思います。
最後に、教会の周りの花壇や畑が子どもたちは大好きでした。
季節ごとの綺麗なお花や果実、お野菜…生命あふれる環境で遊んだ降園後の時間も良い思い出です。
その環境を整え奉仕してくださっている方々の静かな愛情も、子どもたちはきっと心の奥深くで受け取っていると思います。
先生方や教会の方々の温かい見守りと育みに心から感謝しています。
ゆったりと育まれた3年間
